ネコがくれたモノ。



注文を受けて裏に入る。


「なんでここ…」


澄美は知ってる筈なのに。


わざと来たのかな?


あたし、今日はそんなに元気ないのに。


こんなにも憂鬱なときに限って料理が出来上がるのは早い。


あたしは無言で受け取って
できる限りの営業スマイルを2人に送った。


「お待たせしました。こちらが…」


「あの、すみません」


「はい」


「人数1人追加してもいいですか?」


その1人が誰なのかなんてすぐにわかる。


あたしは、今仕事中。


笑顔で大丈夫です、と答えた。


その笑顔が2人にどう捉えられたのかはわからない。



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