ネコがくれたモノ。
ゆっくりまぶたを開けると、そこは真っ暗だった。
「ん…?」
ここどこ?
…たしか、相沢さんの家でご飯作って食べて…。
寝ちゃった?
ゆっくり起き上がるとそこはベッドの上だとわかる。
襖のある方へ歩くと外ではなにか話していた。
「もう、1年になるんだな」
「そうだね。
…未だにあの日を思い出すよ」
「忘れる必要なんてないだろ」
「わかってる。だけど、前に進まなきゃなにか言われそうな気もするんだ。
あいつにも、あいつの親にも」
あたしはそれ以上聞いちゃいけない気がして襖をあけた。
2人はあたしを見て、時計を見る。
9時をさしていた。
「帰る?」
「…9時……」
「もう少しいてもいいけど、家が大丈夫なら」
「いいんですか?」
相沢さんはもちろん、と頷いた。