極上エリートの甘美な溺愛
学生時代、自分の思いを上手に伝える術に長けていなかった玲華は、そのせいで何度も悔しく切ない思いを味わってきた。
小学生の時、学芸会で大好きな「シンデレラ」の役をやりたくてセリフも頭に入れていたというのに立候補の手を挙げることができず。
結局は舞台の端に立ち、ナレーターとしての役に甘んじた。
中学生の時には、成績が良い真面目な女の子というだけで生徒会長に無理矢理立候補させられ、周囲からの画策により当選。
誰もやりたがらない雑用ばかりを任せられる名ばかりの生徒会長を務めた。
そんな毎日の中、周囲の反応をうかがうばかりで自分の気持ちを口にも態度にも出さない自分を変えなければ、自分が望む未来を送ることはできないと玲華は実感した。
少しずつだが、好きな物を好きと言い、嫌いな物を嫌いだとやんわり拒むよう努力し。
どうにか自分が「こうでありたい」と思う状況の中に身を置くことができるようになった。
時には涙し、胃も痛め、作り笑顔が上手になり。
そして社会人となった今、高校時代の玲華からは考えられないほど明るい笑顔とはっきりとした言葉で他人と接することができるようになった。
これは全て、玲華の努力によるものだ。