いつか見つけてね。
新たな出発
食事も終わって、ソファーで二人座って寛いでいる。



光信さんはいつも私に優しくて、洗い物も私がやるって言っても

「二人でやるほうがすぐに終わるから。

そうしたら一緒に過ごす時間が増えるだろ?」

なんて言ってくれる。


料理をした後なのにカウンターも綺麗で、洗い物は私達が使った食器だけ。






大学の話を聞いてもらっていて、少し話が途切れた時、


「じゃあ、コーヒーでも入れてもらおうかな。」


なんてリクエストされたから


「資格持ってる人にコーヒー入れるの恥ずかしいです。」


光信さんに教えてもらうまでコーヒーを入れたことがなかった私だから、余計に。


「美穂が入れてくれるのが一番おいしいから。

それから、冷蔵庫に甘いもの入ってるから持ってきて。」


なんてお願いされてしまうと嫌とは言えない。


私のコーヒーが美味しいなんて、そんなこと言うのは光信さんだけだろう。




あっ、美味しそう。

これ一つのお皿にのせてもいいかな。

そしてフォークを2つ用意したらどれでも好きなものを食べれるよね。



テーブルにケーキとコーヒーを置くと私は光信さんの向かいに座ろうとした。


でも、腕を捕まれそのまま隣に座らされる。

「光信さん?」

腕が腰に回っていて抱きしめられてる。


「俺が食べさせてあげる。

美穂はどれが食べたい?」


なんて顔がひっついてしまうくらい近くにあって恥ずかしくなる。



「あのっ。







光信さん、自分で」


できるって言おうとしたらすでにケーキが目の前にあって


覚悟を決めて口を開けた。


「どう?


旨いか?」


口をもぐもぐしながら頷くとチュッと唇に優しくキスされた。

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