いつか見つけてね。



「まさか、花束とわな。

そんな奴だとは思わなかったよ、社長。」

史也がいることはわかっていたが、会社を出るときに花が目に入って思わず貰って帰ってきたんだ。


買っていくこともできたが、美穂が躊躇してしまうと思って

もったいないというと喜ぶだろうと思ったから、

俺の考えは当たっていた。


そうじゃなかったら毎日でも花屋に行って花を買うだろう。


美穂の思いがけない笑顔を見るだけで今日のモヤモヤが消え去る。


「岳斗に言っておいた。

アイツも彼氏がいるのわかってるから大丈夫だと思う。


美穂も全く恋愛相手にしてなかったしな。

兄弟みたいなもんだ。


それに妬くのはみっともないぞ。」


「ンああ。

わかってる。


今晩美穂連れて帰る。」


史也に笑われたがアイツも反対もしないで俺に美穂を任せてくれた。







パジャマのままで俺のところに来るのを躊躇したが、

「もう、どこにも行かないからそのままでいいよ。」

と言うと寒くないようにコートを羽織って連れ帰った。





俺がシャワーを浴びてる間にソファーで眠ってしまった美穂。

抱き上げてベッドに寝かすとムニュムニュと口を動かしている。

何か食べてる夢でも見ているんだろうか、

それだけなのに俺の心が休まる。


明日は朝ごはんを作ろう、なんて考えてながら


唇を指でなぞるとすっと動きが止まった。


「みつのぶ。

大好き。」


夢の中で美穂が告白してるみたいだ。

そんな些細なことだが俺にとってはうれしい。

小指の指輪を見てから唇に口付けをして、


彼女を腕の中に包んで俺も眠りについた。









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