sweet memory ~奏大side~




しかし、現実とは甘くないものだ。
半数の女子社員達は既に奏大のことを諦め、憧れの存在となったのだが、残り半数の女子社員達は、まだ見ぬ奏大の相手に、ライバル心を燃やし、いつでも自分が奏大の隣に立てるようにと、密かに淡い期待を抱いていたのだ。


更には、婚約者の存在が明かされない今、実は指輪はカモフラージュなのではないかと噂されるようになっていたのだ。
酷いものでは、奏大が騙されているという内容のことも噂され始めていた。


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