蝶
意識が遠くなる最中、断片的に声が聞こえた。
「あの国にしろ、このぐらいの女なら良い値段になる」
「国外追放なんて大げさやわ」
「良く言う、お前から持ちかけた話のくせに」
「人聞きの悪いこと言わんといてよ、お金持ちのおばさんに頼まれてんからしゃーないやん」
「しかしまあ手出した男が悪かったな、あんなに嫉妬深い嫁がいたんじゃ」
最後に脳髄に響いたのは、鈴のように綺麗な声。
「人のもの取ったらあかんねんで?蝶子さん」

