レンタル彼氏【完全版】
「ここに今月の置いときます」



そう、言いながらドサッとアタッシュケースを机の上に置いて佐々木は部屋を出て行こうとしてる。


毎月、25日。
こうやって佐々木は俺の部屋に来ると、こうしてアタッシュケースを置いていく。


未開封のそれが俺のクローゼットにたくさん入ってる。


泥棒が俺の部屋に入ったらきっと、びびっちゃって持ち帰れないぐらいの金がある。



でも、そんな紙切れ。

俺には必要なかった。


「…佐々木~」


さっさと部屋を出ようと、ドアノブに手をかける佐々木に俺は声をかけた。



佐々木は立ち止まって俺の方を向く。

少し、イヤ、相当無愛想で。
しかも、メガネ、ちび、でぶで、オタクも混じってるような佐々木。


女にもてないだろうな、と初めて見た時思った。

アンド、それを本人に初対面で言ったから佐々木は尚更俺に無愛想だった。




「俺、いつまで仕事入ってる?」
< 109 / 813 >

この作品をシェア

pagetop