レンタル彼氏【完全版】
「毎日電話したり、メールしたり。
会ったらセックスしたり」

包み隠さず露骨に話す美佳に、俺は顔を歪ませる。
それを見て美佳はふっと笑う。


「それから買い物行ったり、映画見たり。
まあ、普通だよ」


「………それでいくらなの?」


「一日五万」


「五万?」


「うん、それから指名だとプラス三万。
さらに夜までだとプラス三万。
私が彼女になってセックスまでしたいなら合計十一万必要ってこと」


「………一日?」


「そう、一日」


「……………」


果てしなく、高い。
でも、美佳は人気があると言っていた。


「…………でも、これから紹介する仕事は…段違いよ」


「え?」


カバンからタバコを取り出すと、美佳は火を点けた。


「月、2000万」


「…………は?」


「詳しくは社長に聞いて」


「社長?」


「あ、そう、今から会わせるのはうちの職場の社長だから」


「……………」


何か、とてつもなく凄いことに巻き込まれているのではないだろうか。


そう、思うのだけれど。



俺はもう戻れないところにいた。
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