レンタル彼氏【完全版】
素直になったものの、実際聖のこと詳しく私は知らない。


よく考えたら普段何をしてて、とかも。


「聖はさ、仕事今何してんの?」


「んーIT関係」


「えっ、そうなの?」


「会社員だけど、変則的だから時間決まってないしね」


「そうなの?聖ってふわふわしてんのにしっかりしてるよね、実は」


「はは、ふわふわって何。てか、当たり前だよ、もう三十だしね」





笑っていた私の顔が固まった。


「え?三十………?」



それしか言葉に出来なかった。
だけど、聖は笑顔で。



「うん、三十」


そう言った。


ちょっと、待って。
私には二つ上って。


年齢、誤魔化してた?



て、ことはだよ?


初対面の時……26?



「うっそ、信じられない!見えない!若い!あり得ない!」



息継ぎもせずに早口でまくし立てると、聖は苦笑いを浮かべた。


「……うわー普通におっさんなの?信じられないよ」


「おっさんって言うなって」


クスクス笑いながら聖は言う。

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