レンタル彼氏【完全版】
翌朝、私は準備をして和との待ち合わせ場所へ向かった。

今日は自転車。




駅前のファーストフード。

自転車でここに来ると、どうしても昔のことを思い出す。




伊織との始まりも終わりもここからだったから。





少し早めについた私は、遅刻常習犯の和を待った。

ファーストフードに入って、ポテトとウーロン茶を頼むと席に座る。



休日の昼下がり。
座る場所も、ほとんどなくてやっと見つけた。


これだけ人がいる店内。



私は伊織を探すことなく見つけたっけ。



そんなことを考えながら、座った席でポテトを一本頬張る。




初めて会った時。
向かい合って伊織にレンタル彼氏について聞いていたりした。






何もかもが詰まっている。


私と伊織の思い出の場所でもあった。




「泉っ、お待たせっ」



息を切らした和が、私を見つけて席まで走り寄る。



椅子に荷物を置くと、

「何か買って来る」

財布だけ取り出してカウンターへ歩いて行った。




時計を見ると、待ち合わせを二分過ぎたところ。

和にしては早い。
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