『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——




『口数が非常にすくなく、喜怒哀楽といった感情を表にだすことがほとんどありません。
他者と自己をへだてる傾向が顕著。成績はきわめて優秀です』


とは、中学の担任の評だ。



周囲の目に、つまり僕はそう映っているのだろう。

クラスメイトとの交流を避け、自分の世界に閉じこもり、黙って授業を受けて帰ってゆく。


いじめだのなんだの、わずらわしい事態が起こらないのは、成績が優秀でそれなりに体格と容姿に恵まれているからだろう。


必要とあらば、演技をすることもある。

いっとき笑顔の仮面をつけ、社会性の衣をまとう。
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