『世界』と『終』 ——僕がきみを殺したら——
電器屋やホームセンターを、西森とあてもなくめぐる。
「爆弾を構成する要素は、爆薬、起爆装置、そしてその二つをつなぐものです」
「ふむ」
「犯人は足がつかないように、いくつかの店を回って少しずつ材料を揃えたでしょうね。防犯カメラを警戒して変装したかもしれません」
「実際、爆弾をつくるのはどれほどの技術力がいるものなんだ」
「作るだけなら誰でも。ただ狙いどおりの時間と規模で爆発させるのは、容易ではありません」
「だから犬で実験したわけか」
整合性に富み、倫理観が欠落した会話をかわす。
犯人は捕まらず、新しい事件も起きていない。
起こるとすれば9月×日だろう。そう期待している。
「爆弾を構成する要素は、爆薬、起爆装置、そしてその二つをつなぐものです」
「ふむ」
「犯人は足がつかないように、いくつかの店を回って少しずつ材料を揃えたでしょうね。防犯カメラを警戒して変装したかもしれません」
「実際、爆弾をつくるのはどれほどの技術力がいるものなんだ」
「作るだけなら誰でも。ただ狙いどおりの時間と規模で爆発させるのは、容易ではありません」
「だから犬で実験したわけか」
整合性に富み、倫理観が欠落した会話をかわす。
犯人は捕まらず、新しい事件も起きていない。
起こるとすれば9月×日だろう。そう期待している。