『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
電器屋やホームセンターを、西森とあてもなくめぐる。


「爆弾を構成する要素は、爆薬、起爆装置、そしてその二つをつなぐものです」

「ふむ」

「犯人は足がつかないように、いくつかの店を回って少しずつ材料を揃えたでしょうね。防犯カメラを警戒して変装したかもしれません」


「実際、爆弾をつくるのはどれほどの技術力がいるものなんだ」

「作るだけなら誰でも。ただ狙いどおりの時間と規模で爆発させるのは、容易ではありません」

「だから犬で実験したわけか」


整合性に富み、倫理観が欠落した会話をかわす。



犯人は捕まらず、新しい事件も起きていない。
起こるとすれば9月×日だろう。そう期待している。
< 23 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop