『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
「少し、ここにいるのも悪くないな」

めったに来ない場所だ。


そうですね、と西森がつぶやく。


「どうしてここに来た」

「終さんに、見せたいものがあります」

西森が鞄から一冊の本を取り出した。

「フィンランド絵画の本です」
言いながら僕に手渡す。さほど厚みのない本だ。

栞をはさんであります、と言い添える。「あらかじめ」


本を受け取り、栞のページをひらく。

「フーゴ・シンベルクのエッチング《死の庭》という作品です」


聞いたことのない名前だった。美術にはそれほど明るくない。

載っているのは、なんとも風変わりな絵だった。
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