『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
ただただ従順な西森を、固く冷たい防水層に横たえた。
そこは、 “死” から、少しだけしりぞいた場所だ。

膝を折って、彼女におおいかぶさる。


スカートをたくしあげながら、その奥に指をすべらせた。

西森がまぶたを閉じるうごきに、まつ毛がふるえる。


すべてを受け容れると、僕の与えるものはすべて、それが死であろうと受容する西森が、拒むはずもない。


これは代償行為だ、と思う。命はいちどしか奪えないのだから。



深まる夜のなかで、僕と西森はぎこちなく粘膜を刺激しあう。

初めてなのだから仕方ない。たぶん西森もだ。


平素は、森の奥の湖畔のように静かに凪いでいる西森の表情がゆらぐのを、初めて見た。
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