『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
「あなたの “ターゲット” は僕だった」


伊藤女史はゆっくりとうなづく。

「あなたが借りる本を見るうちに、わたしと同じ嗜好の持ち主だと気づいたの。
探し求めていたひとを見つけたと思った。

あなたを監禁して首に時限爆弾を装着したら、どんな表情をするのか、どんな言葉を口にするのか・・・・そのことが頭を離れなくなってしまった」

うっとりと、彼女の声は甘い熱をおびる。


僕が西森の首に魅せられたように、彼女も僕の首に猟奇的な妄執を抱いていたらしい。

ふたたび、カウンターの貸し出しノートに目をやる。

伊藤女史が僕の視線を追いかける。
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