『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
破壊行為を行うことが目的ではない。

犯人は、標的に取り付け命を奪うために爆弾を製造し、そして用いた。


事件を知ったとき、僕は見も知らぬ犯人に、大いに関心をいだいた。

殺害されたのが動物だったため、ニュースではそれほど大きく報道されなかった。
詳細な情報は、地元のうわさ話に通じている母親から仕入れた。


「終さんは、これを爆破犯が書いたと考えているのですか? 
事件に興味をもった誰かが、調べてメモしただけかもしれません」

西森が意見を口にする。


「だとすると、この言葉がひっかかる」

はしの殴り書きをしめす。



《 9月×日 ターゲットを捕らえ、計画を実行にうつす 》


×日は、10日先だ。


「もしこれが、爆破犯のものだとしたら、この日に再び犯行が起こると?」

「可能性はあるだろうな」
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