Sweet Room~貴方との時間~【完結】
目覚めたら……
いつもと違う枕の硬さとシーツの手触り。ゆっくり目を開けると、中途半端に開いたカーテンから、朝日が部屋を照らしていた。まだ、ぼやけている視界を鮮明にさせようと、数回瞬きをする。すると目の前に黒い塊が……。無意識に手を伸ばした。
何かふわふわする。小さい頃、実家で飼っていた黒いポメラニアンのメルを思い出した。あの頃みたいに、メルを胸に抱きしめる。
「ううん……」
うん? メルはこんな唸り声は出さない。「キャン」と言う、かわいい鳴き声だった。
胸の中にいるメルをよく見た。それは犬ではなく、人間だった。
「キャーー!!」
条件反射で人間を突き飛ばした。
「イッテー!」
その声は明らかに男の声で、大したガードにもならないが、シーツを自分の方に手繰り寄せて体を隠した。
「おはようございます。佐伯さん」
脇腹と膝を摩りながら立ち上がったのは、後輩の杉山 涼太だった。
「杉山ぁぁ! 何でアンタ、私と同じ部屋で同じベッドに寝てるのよ!」
「佐伯さん。昨日の記憶どこまでありますか?」と言いながら、杉山は面倒臭そうに頭を掻きながら、もう1つのベッドに座り、私の顔を見た。
何かふわふわする。小さい頃、実家で飼っていた黒いポメラニアンのメルを思い出した。あの頃みたいに、メルを胸に抱きしめる。
「ううん……」
うん? メルはこんな唸り声は出さない。「キャン」と言う、かわいい鳴き声だった。
胸の中にいるメルをよく見た。それは犬ではなく、人間だった。
「キャーー!!」
条件反射で人間を突き飛ばした。
「イッテー!」
その声は明らかに男の声で、大したガードにもならないが、シーツを自分の方に手繰り寄せて体を隠した。
「おはようございます。佐伯さん」
脇腹と膝を摩りながら立ち上がったのは、後輩の杉山 涼太だった。
「杉山ぁぁ! 何でアンタ、私と同じ部屋で同じベッドに寝てるのよ!」
「佐伯さん。昨日の記憶どこまでありますか?」と言いながら、杉山は面倒臭そうに頭を掻きながら、もう1つのベッドに座り、私の顔を見た。
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