Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「何してるの?」
「いや、さっき勢いよくぶつかったんで、傾いてないかと思って。これって天井と床で突っ張るタイプでしょ?」
 さっき、パーティションが軽く揺れたのって。

「もしかして、私が突き飛ばしたせいでぶつかったの?」
「ああ、まあ、そんな感じです」
「ごめん」
「いいですよ。慣れました。パーティションは大丈夫みたいですね。じゃあ、俺、帰ります」
 寝癖のことも気にせず、杉山は近くのイスに置いてあった荷物を片手にまとめた。

「待って。朝ごはん、食べていかない?」
「えっ」と、杉山は何故か少し顔を赤くしながら聞き返してくる。
「いや、かな?」
「そんなことないです。うれしいです」
「よかった。すぐ作るから」

 ベッドから降りて、料理がしやすいような適当な服を掴んで、洗面所へ向かった。
 鏡を見ると、化粧をしたまま寝たせいで、肌は乾燥し放題。目の周りがマスカラで黒くなってなくてよかった。
 メイクを落とし、着替えを済ませてから、リビングへ行く。

 杉山は相変わらず寝癖頭のままだった。
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