Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「いいんですか?」
 上から聞こえてきた声に反応をして、頭をあげた。

「う、うん」
「やったー! やったー! 俺、佐伯さんのこと大切にします」と杉山が大きな声で叫ぶ。その姿を見て笑っていると、杉山が抱きしめてきた。背中に回る腕の力が強くなる。 
「杉山、ちょっと苦しいよ」
「すみません。もうちょっとこのままで。今、すごく嬉しいんで」
 耳元で聞こえる杉山の温かい声がくすぐったかった。

「ねえ。本当に私でいいの?」
「はい、佐伯さんがいいです」
 杉山の腕の力が少し弱まり、私も杉山の背中に腕をまわした。

「私、3つも上だよ」
「はい、僕は3つも下ですから。佐伯さんがいくつでも、佐伯さんならいいです」と答えた杉山に、私は少し笑った。
「なにそれ。それに私、結構甘えたいタイプなんだけど」
「いいですよ。好きなだけ甘えてください。今日から遠慮は禁止です。いっぱい甘やかしますから。引っ越しの荷物の片付け終わりましたか?」
「うん。だいたい。杉山に返事する前に、全部、スッキリさせたかったから。だから返事が遅くなったの。待たせて、ごめんね」
「佐伯さんらしいです。そういう真面目なところ好きです」

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