「1495日の初恋」

「送ってくれてありがとう。」


「うん、じゃあな。」


上原くんはポケットに手を入れて、丸めたティッシュを、また私にぶつけた。


「いったーい、もう、なによっ!」


上原くんは、ニヤリとする。

「結、ダイエットしろよ。」


片手をあげて、去っていく後ろ姿を見送った。






落ちたティッシュを屈んで拾う。


ん?なんだか固い。

なにか入ってる?


恐る恐るティッシュを開いてみると、中には小さく折り畳んだ紙が入っていた。


あれ?これ、さっきの神社のおみくじじゃない?



不思議に思いながら、小さな紙をそっと開いてみる。


えっ?

うそっ!



「大吉」



大吉のおみくじだ…。

私が一度も引いたことのない、大吉のおみくじ。


胸がいっぱいになって、おみくじをギュッと握りしめた。


上原くん…ありがとう。

初めてだよ、大吉。



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