【完】芸能人に、恋をした。
やっと離れた唇。
お互いに肩で息をする。
「嫌になる」
「っ…」
「俺ばっかり、陽菜が好きで」
気まずくて合わせられなかった視線を蓮くんに向ける。
どこか悲しげで、でも──赤い顔。
「蓮くん…?」
「あーもう!」
そう言って立ち上がると、再びソファーに座った蓮くん。
あたしは体を起こし、蓮くんを見つめる。
「…かっこわりぃ」
「え…?」
「こんなとこ、見せたくなかったのに」