【続】恋愛のやり直し方
何とか留めたのは、向かいから寄せられる冷ややかな視線に気が付いたから。



たぶん、あの目は私が良からぬ想像をしていた事をお見通しなんだと思う。





「すみません」と小さく謝ると、うん。と渋々納得したような顔の立花さん。



さて、いよいよ説明しなくてはと、口を開きかけた時




「もういいよ。どうせ作家センセ絡みだろ?

俺よりもそっちに話す方が先。とっとと帰りな」


「へっ?」




拍子抜け……とは、こんなこと。

きっと、かなり間抜けた顔を晒してると思う。




「大方、結婚に反対されたってトコだろ?これくらいでヘコんでそんな顔すんなよ。

お前たちの仲を当て付けてやる位の強かさ(したたかさ)と、意地の悪さを少しは持てよ」



そう言って席を立ち、去ろうとする立花さん。



数歩歩いたところで振り返り、



「綾のスペース空けといてやるから、限界来たらおいで」




ニコッとキラースマイルと共に、そんな台詞を残して去っていった。
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