【続】恋愛のやり直し方
そんな後悔を更に深く心に刻ませたのはーー




突然鼻に吸い込まれた、よく知るシトラスの匂い。




私をスゴい勢いで追い抜いていったその人は、私を遮るように行く手に立ち止まる。



反射的に顔をあげてしまってから、ヒドク後悔。






そこに立っていたのは、会う心構えが必要な人





ここで、こんなイタズラな偶然いらない。






まだ、心の整理なんて全然できてない。

さっきまでの出来事をしっかり消化しきれてない。





丸裸でいきなり放り込まれたも同然。



隠せるはずなんて……ない。








「淋しくなっちゃったの?」


「………」



「な、訳無いな。ちょっと待てる?すぐ終わらせるから」



なにも言えず、コクリと頭を縦に振る。

「ん。」と頷いて、ポンポンと頭を撫でる友田の手は、相変わらず優しい。


この手を失ってしまうかもしれないと思っただけで、涙が溢れてきそうになる。


でも、なんで?

この人はこんなタイミングに登場できちゃうんだろう。
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