【続】恋愛のやり直し方
当然のことだけど、このビルの中に忙しそうに出入りする人達は皆、仕事をしている。




そんな中に、自分を紛れさせることが酷く惨めに思えた。

それは、あの頃に似ている。


就職した会社で味わった同期入社の人たちの中で孤立する自分。




仕事をしたくない私と、仕事にどん欲に取り組む同期入社の女性たち。






いつも逃げ回っている自分が、やけに惨めに思えてきた。








それに加えて今、真理子に会って何を話そうかなんて決まっていない。





きっと、真理子のことだから、私から漂う空気を読み取って接してくれる。
だけど、それにいつまでも甘えていてはいけない気がした。




私は、そのまま振り返ることなく来た道を戻る。
こんな時、頼れる友人が、真理子以外にいないことにも、今さらながら気がついた。



あぁ、何やってるんだろう。





ここに来なければ良かった。
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