Midnight Day


「ちょ、まっ…」


「誰が待つかよ…」


月夜は私の唇を急速に求めた。
まるで、会えなかった分を埋めるように。


最初は抵抗していた私も、月夜には適わないと諦め、身を委ねた。


しばらくお互いの唇を求め合ったあと、私たちは吐息を漏らしながら、唇を離した。


「お前、キス上手くなったな」


「…っ月夜のバカっ!」


月夜の言葉に私は顔を林檎みたいに真っ赤に染め、月夜の胸元を押し、起きあがった。


「…私の身体は今、闘ってるのに、こんな事してていいの?」


私は不安になり、そう月夜に訊ねた。
そして、私自身がこんな元気なのだ。
“死”と闘ってる。
そんな感情は更々なかった。


「身体の方は本当に苦しそうに闘ってるよ…でも、今は俺らの時間だろ?
今しか、一緒にいられないのだから。」



確かにそうだ。
私たちは今しか一緒にいられない。


「だからさ…もっとキスさせろ。」


私はまた月夜によって押し倒されると、またキスの海に溺れた。


今度は、最初から抵抗なんてしなかった。


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