3つのR


 寂しい時間。結婚していた時は、夫が帰るのを一人でじっと待っていた時間。離婚してからはその傷が癒えるまでとただ寝ていたあの時間。それから家を出て、今日までは―――――――何が出来るだろうか、と考えて悶々としていた時間。

 私の、この無駄に使ってしまった時間は、誰かの為に使いたい。

 仕事を大きくして、それに当てる時間は素晴らしいはずだ。労働時間は無駄ではない。だけど、相変わらずぼーっとしてハッキリした理由もないのにたまに陥る自己嫌悪の間や、それに伴う凹み時間・・・あんなのは、要らないよね。

 去年の終わりからは、仕事を拡大した。趣味で終わらせるのではなく、ちゃんとした販売業としてスタートさせたのだ。だから昼間はその作業をしている。

 アクセサリーを作り、写真をとってサイトにアップし、注文がきたらそれを包装して発送する。メールのやり取りと受け取り口座の確認。地味だけど、その一連の流れは結構な時間を食うわりには達成感が乏しいのが問題だった。

 決めた。

 私は前の白い壁を見詰めて一人で頷く。

 朝、それから夕方、誰かのために時間を使おう。普通のボランティア活動なんかはきっと倒れてしまうだろうし、私が足手まといになるのはダメだ、だから一人で出来る、ちょっとしたこと。

 例えば――――――――ゴミ拾いなんて、どうだろうか。

 そんなに疲れないし、地味で、パッと見て綺麗になったのが分かるから達成感もあるだろうし、しかも必要なことじゃないかな。


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