とある女龍と新選組

しばらくたって
さっきの男は怖い顔の偉そうなやつを連れて来た。

「・・・こいつが例のやつか。」

例ってなんだよ。

「そうです。あとはよろしくお願いします。副長。」

なるほど。
こいつ副長だったのか。
だから偉そうなのか。


「お前はもう下がれ。」

「はい。では。」

すると、さっきまで私を拷問していた男が蔵から出ていった。


「お前、傷がすぐに治るんだってな。」

まあ、そうだな。

・・このまま答えてもあまり面白くないし。
少しからかってみるか。

『・・・・・・・・・・・。』

「答えられないか。」

このまま無視し続けよう。

「おい!聞いてんのか。」

聞いていますよ。

「答えないならば、実戦するのみ。」

そういって副長(?)は私の首を切った。

ーーザシュッ

そして、当たり前のように
治っていく私の体。

それを見て
放心状態の副長。

『・・・ふっ。』

間抜けな顔。

「なっ!確かに骨まで届いたはず。」

男はそう言うと、

「着いてこい。これ以上やっても意味がない。」

といいながら縄をほどいた。

と言っても手の縄はほどいてくれなかったが。
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