ラベンダーと星空の約束
 



「大樹君、おっはよー!やっと起きたね!

−−− え〜?僕に怒鳴らないでよ。
紫ちゃんに頼まれて、起こしてあげたんじゃん。

−−− オカマって言うなー!僕は可愛い男の子だー!

全く君は口が悪いなー。ほら怒ってないで、早く支度始めなよ。

僕らも学校行く用意するから、切るよ?」




こんな感じで、大樹がどうしても起きない時は、瑞希君にお願いして起こしてもらっていた。



これやって貰うと大樹は飛び起きる。
効果抜群な方法なんだよね。



驚かせるのは少し可哀相な気もするけど、起きない大樹が悪いんだよ。



きっとまたゲームで夜更かししたに違いないし、同情はしてやらない。




瑞希君にお礼を言い廊下に出た所で、
階段を上がってきた、たく丸さんと目が合った。



「おはよう。
僕、君に用事があって…これ着てくれないかな?」



渡された物は、スポーツ用品店のロゴが入ったショッピングバック。



これって…まさか…

瑞希君のワードローブの中を思い出していた。

たく丸さんから貰ったという、ナース服やチアガールのコスプレ衣裳があって…



私は瑞希君じゃないから、コスプレはちょっと…

そう思いながら、恐る恐る袋を開けると、
真っ白なテニスウェアが出て来た。



今日は学校で体育祭が行われる。
雨で2回延期になり、3度目の今日、やっと開催出来る天気になった。



私の出場種目はテニス。

数日前、寮のみんなと焼肉パーティーをした時に、その話しをたく丸さんにしていた。



これは…本物のテニスウェアだからコスプレには当たらないと思うけど、

体育祭は学校指定のジャージと、クラスで揃えたTシャツを着る予定…



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