ラベンダーと星空の約束
 


「そうだね…
大樹…… 大樹……」



『何?』



「大樹…」



『だから何だよ』



「タイキ ガ スキダヨ」



『 は…? 
すげー棒読みで言われても全然嬉しくねぇ』



「大樹… 好・き・」



『キモイ。わざとらし過ぎる。

あのよ、無理にそんなん言わなくても、俺はもう焦ったりしねぇから。

そうそう簡単に惚れてくれるとは思ってねぇ。
ゆっくりでいい。無理すんなよバーカ』



「バカに馬鹿にされたくないよバーカ……はぁ……」





大樹は『ゆっくりでいい』と言ってくれた。



それでも流星の事を思うと

『早く早く』と焦りにも似た気持ちを止められなかった。



考え込み急に言葉数が減った私を心配し、
大樹はいつも以上のバカな話しを始めた。



可笑しくて「アハハッ」と声を上げて笑っているのに、

何でだろう…



涙が勝手に溢れてくる……



大樹……

私…苦しいよ……





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