ラベンダーと星空の約束
瑞希君の部屋で寝たことを大樹に話しても、怒られなかった。
「あのオカマなら別にいい」
と言われた。
大樹の心は平静で、今は焦りも怒りもない。
流星は自室に籠もらず、
寮の皆と笑顔で過ごす事が出来ている。
これでいい。
これでいい筈。
全ていい方向へ
向かっている筈。
どうにもならない
私の気持ちを除いては…
そんな感傷に浸りながら、
柏の枝が風に揺すられ、ポトリポトリとどんぐりが落ちる様を眺めていた。
笑い声が階段の方から聞こえてきて、
瑞希君とたく丸さんが、上がって来たのが目に入った。
「あっ 居た居た。
紫ちゃん、僕の部屋に来て。
これから衣装合わせと練習始めるから」
「衣装合わせと練習って、
何のこと?」
「いいから。
取り合えず来てよ」
意味の分からないまま、瑞希君の部屋に入ると、
カーテンレールに色違いのメイド服が2着吊されていた。
1つは淡い紫色で、
もう1つは水色の半袖ワンピース。
両方とも白いエプロン付きだ。
ベットの上には、
フリル付き白いカチューシャ。
それから…
これまたフリフリな、ニーハイソックス。