ラベンダーと星空の約束
暗幕に近い分厚い遮光カーテンが引かれた薄暗い部屋。
精巧なドクロ型ランプの中で、
か細い蝋燭(ロウソク)の炎が不気味に辺りを照らしていた。
その光に照らされ浮かび上がるのは、オカルトグッズの数々。
ハロウィンにピッタリというより、
お化け屋敷か、ポルターガイストでも起こりそうな廃屋の洋館に来てしまった気分だった。
そんな不気味な部屋の中で、
「これならソフトホラーだから」と
全然ソフトじゃない濃厚なDVDを、続けて2本見せられた。
亀さんが…
爽やかで知的で大人で、優しい亀さんが…
まさかこんな趣味を持っていたなんて。
『変四和(カシワ)』と影で呼ばれる4人の中に、
亀さんが入っている疑問が、この時やっと解消された。
ホラー映画は苦手じゃないけど、
亀さんのコレクションは濃過ぎた。
ハロウィンパーティーお開きの後、
自室のベットに入っても中々眠れない。
廊下の床板が軋む、いつもの音が妙に気になったりして…
怖くなった私は、瑞希君に頼み彼の部屋で一緒に寝かせて貰った。
「あのさー…僕を男だと思ってないでしょ?
言っとくけど君から来たんだから、僕に襲われても文句は言えないよ?
全く君は………」
そんな文句を言ってた瑞希君だけど、
私より先に可愛らしい寝息を立て始め、
私も彼の背中を見ながら、やっと眠りに就く事が出来た。