ラベンダーと星空の約束
そんな都合のいい考えは現実的じゃないと知っている。
でも考えられる他の理由は辛過ぎた。
その辛過ぎる現実的な理由とは…
たった一ヶ月の幼い恋心が4年も持続するわけなく、
私のことなんて過去の存在として、約束を守る気がなくなった…
それか、大樹の言う様に私の存在を忘れている…
忘れられる事程悲しいことはない。
そんなこと…考えたくもない。
大樹の背中を撫でるのを止め、きっぱりと言った。
「私がこの10ヶ月間どれ程頑張ってきたか知ってるよね?
淋しい思いをさせるのは申し訳ないけど我慢して。
私の決意は変わらないから」
「……いつ…」
「 何?」
「いつ東京に行くんだ?」
「まだ分かんない。
合格通知と入学案内が郵送されてくるからそれ見て決めるよ。
でも多分3月末頃じゃないかな?」
「3月28日に札幌で弓の射会があんだ…それ見てから行けよ…」
「うん。分かった。絶対見に行くよ。約束する」
大樹の背中をポンポンと叩いてやると、やっと私から体を離し顔を上げた。
その瞳は赤く潤んでいて、私と目が合うと恥ずかしそうに視線を横へ逸らした。