ラベンダーと星空の約束
フラノはまだまだ雪の中。
大量に降り積もった雪は、気温がプラスになったからと言って簡単に解けてはくれない。
この雪がすっかり解けて、埋もれていたラベンダーの葉が緑の濃さを取り戻す頃、
私と流星は再会を果たし想い合うことが出来ているのだろうか…
そうであって欲しい。
私を見た瞬間に名前を呼んで、
右頬の可愛らしい笑窪をへこませ素敵な笑顔を見せて欲しい。
『あいつ…
紫のこと忘れてるよ…きっと』
流星を思い出し頬を緩めた時、大樹に言われた言葉が頭に浮かんで来た。
思わず「違う!」と叫んでしまう。
「ごめんなさい…何でもないです…」
運転中のおじさんを驚かせてしまったことに謝り、小さく溜息をついた。
すると眠っていた筈の大樹が、目を閉じたまま私の手を握ってきた。
大樹の手は温かかった。
無言の温もりが、緊張で冷たくなった私の手を静かに温めてくれる。
大樹…
彼の方に少しお尻をずらし、肩に頭をもたれてみた。