ラベンダーと星空の約束
 


クラスメイトの皆にしてもそうだ。


失礼だけど、真由や千絵梨や…みんながあんなに温かい人達だと思っていなかった。



中学の時のフラノのクラスメイトは、優しくて、楽しくて大好きだった。



久しぶりに登校した私を囲み、話しを聞いてくれたクラスメイト達は、

フラノの仲間と同じ様に温かく優しかった。



東京に勝手にドライなイメージを持っていたけど……違った。



私の周りにいる人達は皆素敵な人ばかりだ。



それに気付く事が出来たのも、やっぱり障害を負ったお陰かな。



そう思うと、この不自由さも悪くないよね…





ボリューム満点で美味しい慶子さんの定食を食べ終わると、お腹も心も満たされ幸せな気持ちがした。



ひょこひょこ歩いて食堂を出る。

午後の授業開始の予鈴が聞こえた。



「あ〜少しのんびりし過ぎたな…
紫、走るから首に掴まって」




流星の腕に揺られ、廊下を駆け抜けた。



擦れ違う生徒達が、私達を振り返って見ている。



なるべく自分の足で歩こうと思うけど、

時間の制約で、こうやって流星に抱き上げて貰う事も沢山あるだろう。



みんなの前でキスして

「俺の彼女だから…」

なんて言わなくても、



私達の関係は、すぐに校内中に知れ渡りそうな気がしていた。






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