ラベンダーと星空の約束
 


それに、たまに見せるあの笑顔は反則だよねー。

どうやったらあんなキラキラした笑顔が作れるのか…

鏡の前で練習してみたけど、僕には無理だったよ。



鈍感過ぎてイライラする性格も、慣れてしまえば可愛いもんだし…



つまり、紫ちゃんは僕の理想に限りなく近い女の子だけど、彼女に惚れる事は絶対にない。



僕って結構友情を大切にするタイプだし、

大ちゃんがどれだけ紫ちゃんを必要としてるのか…

本人さえ気づいていない最初からそれを感じていたし。



だから絶対に紫ちゃんに恋はしない…
と常々自分に言い聞かせて生活している。



まぁ、仮に彼女に惚れたとしても、大ちゃんに敵う訳ないから、何にも変わらないけどさ。



僕はそうやって上手く自分の心をコントロールしてるけど、

思春期の少年少女の中には、抑制の出来ない突っ走り屋が結構いるんだよね……



紫ちゃんをお姫様抱っこで走る大ちゃんを見て、

諦めの溜息をついている女の子が大半を占めるけど、

たまに、ギラギラした嫉妬の目で、睨んでいる子もいる。



鈍感な紫ちゃんにそんな視線を向けても、

“暖簾(ノレン)に腕押し”
“馬耳東風”なんだけど、

危険な事にならなきゃいいと、気にしていたんだ。



そんな矢先こんな事があった……




 ◇


ある日の放課後、

僕と大ちゃんは、いつもの様に帰り支度をして、紫ちゃんのクラス1-Bに迎えに行った。



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