ラベンダーと星空の約束
 


再会して間もないチャラさ全開だった頃、

「俺ってねちっこいって言われるから覚悟しといて〜」

と言ってた気がするし…
その意味を今、身をもって理解している。



もう無理だって言っても執拗に攻め続けるから、意識が吹っ飛びそうに……


いや、途中の記憶がポコポコ穴が開いた様にあやふやだから、実際に意識が吹っ飛んでいるのだろう。





夕食のサラダも卵かけご飯も、その日は食べられることなく、ラップを掛け冷蔵庫にしまわれた。



カーテンの隙間から外灯の明かりが仄かに入り、すっかり暗くなった室内に一本の光の直線を引く。



時々通り過ぎる車のライトが、一瞬だけ強い光を投げかけ、寄り添う2人の影を部屋の壁に映し出した。



喘ぎ過ぎてグッタリしている私の髪を手ですいて、流星は嬉しそうに微笑んだ。




「流星…」



「んー?」



「お水飲みたい…」



「ん、待ってて」





流星は冷蔵庫から2Lの水のペットボトルを出し、コップに注いで渡してくれた。



「よいしょ」と掛け声をかけて起き上がると、笑われた。



だってしょうがないじゃない。

誰かさんのせいで、物凄く疲れているのだから。



起き上がりコップの水に口を付けた。



冷たい水が、火照った体を心地好く冷やしてくれる。



流星は下着だけ身に付けてベットに座り、壁に背をもたれ私を見ている。



パンツ一枚の姿でも、流星って綺麗に見える。



運動してない割にバランス良く筋肉が付いて……
あれ…?



ふと疑問に思った事を口にしてみた。




「流星って、運動してない割に筋肉も体力もあるよね。何で?」



「そりゃーエロいからじゃない?」



「エロいから…なんだ…」





確かにこれって、かなりの運動量。



私はそんなに動いてないのにこれだけ疲労するけど、

流星は動きっぱなしでも、私の様にグッタリする事はない。



流星にとってこれが、筋トレであり、持久走にもなっているのかな。



運動と言えば…



「そうだ、もうすぐ体育祭だよね。

流星、今年は出るんでしょ?
もう種目決めた?」



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