ラベンダーと星空の約束
 


私は今2年生、流星と瑞希君は3年生だ。



亀さんとたく丸さんが去り淋しくなった柏寮だけど、

4月になれば新入寮生が入って、今までとは違う活気でまた賑やかになる。

そう思っていた。



しかし、実際は新入寮生は入らなかった。



柏寮が不便だからとか、ボロだからという理由ではなく、

時期は未定だけど、遠くない未来に取り壊しが決まり、

今年から募集を止めてしまったからだ。



取り壊しの少なくとも3ヶ月前には退去の知らせが来る。

それまで私達3人は、今まで通り寮生活を送っていいと言われた。



去年の文化祭で柏寮をアピールした、あの恥ずかしいステージは無駄だったんだね……



私がそうこぼしていると、瑞希君は

「大ちゃんと君をくっつける目的もあってやった事だし、
アイドル気分で楽しかったから無駄じゃないよー」

なんて言って笑ってた。



笑ってるけど…
やっぱりどこか残念そうにも見えた。



50数年の長い柏寮の歴史が、私達で終わるのは悲しいよね……



柏寮の終わりを思い、しんみりしていると、流星にこう言われた。




「紫はそんなに、新入寮生を楽しみにしていたのか……

何か…傷付いたな……」




「え? 何で?」




「俺は紫さえ居れば満たされるけど…ああ、瑞希も勿論不可欠だけどね。

紫は俺だけじゃ満足出来ないのか……

もしかして…年下好き?
新1年生の男を狙ってた?」




「何でよ! 違うよ!
そんな意味じゃないよ!」




「ハハッ 冗談だって。

確かに3人で夕飯食べても、亀さん達がいた時程賑やかじゃないよな。

けど大丈夫だよ。

淋しいと感じる時は今みたいに言って?

そんなの吹っ飛ぶくらいに満たしてあげるから」




「え…… 流星、今夕飯の用意してる所だから…」




「サラダ出来てるじゃん。
俺、今日の夕飯、サラダと卵かけご飯でいーよ」




「待って…これからハンバーグを……あっ…」






皆で楽しくワイワイ騒ぎたい欲求と、この欲求は全く別物…


なんて抗議する間もなく、今日も快感の渦に飲まれて行った。




流星って、他の人より性欲が強いと思う。



流星と大樹しか知らないけど、そして他の人がどれ程の物なのか想像も出来ないけど、


それでも流星の行為は、絶対に普通以上の頻度と長さを誇ると確信する。



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