ラベンダーと星空の約束
「大樹に言われたくない。
怖い訳じゃないよ。ただモラルとしてどうなのかと……」
「大丈夫だよ。大樹の運転歴結構長いし、こんなへんぴな道を巡回する程パトカーは暇じゃないよ」
「…… 何だろう…
今、紫との間に距離を感じる……」
「えっ 何で!?」
考え込む流星と慌てる私、
大樹は楽しそうに笑っていた。
窓に明かりの灯る我が家が見えてきた。
ジンギスカンはもう始まっているだろうか。
皆が揃う賑やかな食卓って嬉しいよね。
家族がいて、流星がいて、大樹がいて、私がいる……
あっごめん、瑞希君もね。
この夏、流星と一緒にフラノに帰って本当に良かった。
帰省時には不安いっぱいだったけど…
実りの秋を迎えた大樹の畑と同じ様に、今は沢山の収穫を得る事ができ、心が満たされている。
この夏もまた、思い出に残る夏になった。
私達3人が一歩前に進めた様な…
そんな気持ちがする、大切な夏になった……