ラベンダーと星空の約束
そう言われるとそんな気もするけど、やっぱり私の写真には何かが足りないと思ってしまう。
我妻さんの写真にあって私の写真にないもの…
それを今だに模索中。
そうだ、今回ホームページに載せようと思っていた写真を、我妻さんにも送ってみよう。
朝日をバックに写した面白い形の樹氷の写真に、どこか物足りなさを感じていた。
光りと影のバランスがイマイチと言うか…画面が白過ぎると言うか……
きっと優しい言葉だけで批評なんてしてくれないと思うけど、
その画像に挨拶文とアドバイスを求める短い言葉を添え、送信した。
一度席を立ちキッチンでミルクティーを入れ、マグカップを手にパソコン前に戻る。
その後はホームページの更新に取り掛かり、その作業に一時間を費やした。
◇
全ての作業を終え、二杯目のミルクティーを飲みながら、まだ起動中のパソコン前にぼんやりと座っていた。
リビングの壁時計に目を遣ると、時刻はもうすぐ午後3時。
稲田家に遊びに行った母は当分帰らないだろうし、
トラクターのエンジン音がまだ響いているから、父ももう暫くは家に入って来ないだろう。
英語を教えてと言っていた青空は、自分で解決出来たのか、自室から出て来ない。
一人ぼっちのリビングって退屈……
次に何をしようかと考えながら椅子から腰を浮かせパソコンを終了させようとした。
終了する前に新着メールの表示に気付き、再び椅子に座り直す。
メールは我妻さんから。
一時間前に送信したばかりなのに、もう早返信してくれたみたい。
驚きつつも嬉しく思い、ワクワクしながらメールを開く。
きっと画像も付けてくれているはず。
新しい我妻さんの写真を見れるのが、何よりの楽しみだった。
『富良野の冬の写真をありがとう。
とても良く撮れているよ。
おじさんのアドバイスなんて無くても、君の写真はとても素敵だ。
自信を持っていい』
今までと同じ様に、優しく私の写真を誉めるだけの文面。
予想通り助言は貰えない…と思ったが今回は違った。