プレイボーイの甘い罠



右手を俺に、左手を自分のおでこに当てて熱を測る葵。


無意識に俺の理性を破壊しようとしないで欲しい。



「ホントに大丈夫?」

「大丈夫だよ。それとも葵は、俺とお医者さんごっこでもしたいのかな?」

「もう、心配してるのに!知らないから!」



ぷいっと顔を真っ赤にして先に行ってしまった。


でも、分かって欲しい。葵の理性破壊行動に堪えるのはふざけるしかない。



「あーおい!怒んなって」

「きゃ!?伊織、離れて!」

「やーだ」


葵に後ろから抱きつく。


いくら学校から出たとはいえ、ここは通学路。ウチの生徒も多くいる。


人目を気にする葵が慌てるのも当然だけど。俺はもっと見せつけたい。


葵は俺のもんだって。


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