野良猫との一週間
非日常の訪れ
出会いは突然に
それは唐突に起こった。
その日は肌寒く、コートのポケットに手を突っ込みマフラーに顔をうずめて寒さをしのいでいた。
駅から徒歩10分程度にある自宅へ、すっかり日の暮れた道を歩いた。
正直言うと、私の住むアパートはセキュリティーがなっていない。
お大家さんはよぼよぼのおばあちゃんで、
壁も窓も薄くて、ドアだってガタガタ。
でもご近所さんがみんな優しくて、いろいろお世話になったりしているもんだから引っ越そうとは思わない。
寒さに耐えかねて階段を駆け上り、鍵を取り出したところで止まった。
何かがいる。
正確には、誰かが。
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