野良猫との一週間
いかにも怪しげな黒ずくめの男がしゃがみこんでいた。

ちなみに、私の部屋のドアの前で。


『(怪しすぎるでしょ!)』


でもこの人がいたら私は部屋に入れないわけで。

『……あのー…』

私は思いきって声をかけてみることにした。

でも全く反応なし。


『すいません!そこよけてくれませんか!』


「……ん…?」


肩を揺さぶると小さく唸った男は、ゆっくりと私を見上げた。


「あ、れ……ここどこだ」

『っ…』




思わず息をのんだ。


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