野良猫との一週間
山崎慎という男
「山崎慎〈シン〉、年は26で優愛より一つ下や。よろしゅうな」
あーそか、自己紹介せな分からんか。
といきなり言い出したのは、寒いからと何故か山崎慎が二人分のココアを入れてソファーに座ったときだった。
なんで私の好きな飲み物がココアって分かったのかが不思議だけど…
もしかしたら偶然かもしれないし。
『え、まって。私22なんだけど?』
山崎慎の設定なら私27になるじゃない!
と、なぜかそれを聞いてふはっと笑い出した山崎慎。
「あ、ちゃうわごめんな?やから拗ねんで」
『…拗ねてないし』
なんかさっきから笑われてばっかりな気がして納得がいかない。
山崎慎は私の顔を見て、またすこし笑ってから説明してくれた。
「優愛が22なら、俺は5年後から来たっちゅうことになるんやね。」