野良猫との一週間
「っほんまか!」
『きゃっ』
小声で呟いた言葉を聞き取るや否や、さっきと比べものにならないくらい力強く抱きしめられた。
おかげで私は彼の意外にがっしりした胸板に顔を押し付ける形になる。
柑橘系の香りがして頬が熱くなる。
『で、でもっ!未来人とか信じた訳じゃないからね!』
離れようと手に力を込めながら叫べば、更に抱きしめる力は強くなり
「一週間や。」
『え?』
「一週間で信じさせたる。覚悟せぇよ?」
にやりと不適に笑った男に、不覚にもドキッとした。
これが私とアイツの出会いだった