初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
南雲くんがサッカーボールを蹴る姿がどうしても想像できなくて、諦めてシャーペンを動かす。
「終わった…」
最後まで書き終えて、パタンとノートを閉じる。
「お疲れ」
それを見た南雲くんもパタンと本を閉じて、バッグにしまった。
外に出ると、夏が近いからかまだ日が出ている。
と、中庭に転がっているバレーボールに気付いた南雲くんが、それを拾った。
誰かが遊んだまま置きっ放しにしちゃったのかな?
なんて思っていると、ふわりと上げられたボール。