初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「やってみてよ」
「ええっ」
なんか、南雲くんってたまにすごく強引っていうか、無茶振りっていうか。
うまく私の手元に落ちてきたボールを、慌ててレシーブしようとすると。
スカッ
綺麗に空振りして、ボールが虚しく地面に転がった。
「予想通り」
なんてクスリと笑う南雲くんの笑顔に、一瞬ドキッとしてしまったけれど。
…いや、違う。
そこはドキッとするところじゃない。
「バカにしてる…」
怒るところだよ、夕陽!
なんて心の中では怒りつつも、強く言えない。