初恋が君だなんて、ハードルが高すぎる。
「大丈夫なの?」
相変わらず感情がわかりにくい南雲くんだけど、今は楽しそうだ。
少し細くなった目とか、わずかに上がった口角とか。
…私をバカにするのが楽しいのかな。
それって人としてどうなの…?
「ボールが来た時に、目閉じるから取れないんだよ」
「え…」
「怖くても、ちゃんとボール見て」
そう言って、拾い上げたボールをまた私に投げる。
向かってくるボールが怖くて、反射的に目を閉じてしまった。
そしてまた手に当たらないボール。
「ほんとだ…」