華は儚し

「あの男は桐島園を潰す。

花街一体もな、

ここ全て葵屋の遊郭に乗っ取られてしまう」


「ええ、私も情報をそのように受けました」


「私は、宗十郎に期待する」


「もちろん、

全力を持って御嬢さんをお守りします」


桐島様に

俺を認めてもらえたのは驚いてしまうのと、

菊乃丞が心底悲壮めいた気持ちを露わにした。


義父となる確率のある桐島様は

部屋を背にするのを見送って、

男が睨むのを目にする。
< 100 / 221 >

この作品をシェア

pagetop