華は儚し
「お前は、私の舞台を見たいと言っていたな。
明日、ともに行こう」
それは…、お座敷に宗十郎様と夜を共にする…
ということでしょうか…。
「怖がるな。太夫を襲うつもりは無い。ただの添い寝」
数歩先に私よりも先に歩いていらっしゃる役者の
宗十郎様が寂しげに見えていたのは、きっと私が悪いからです。
「…宗十郎様、お待ちください」
「どうした?」
貴方に触れたい…、
そう思う自分は宗十郎様と
接吻を交わしてしまうのでした。